リリーフ投壊危機に、かつてのセットアッパー中日浅尾拓也投手(33)が1軍に戻ってきた。13日、ナゴヤ球場での練習に参加。山井らベテランたちに交じって、調整に励んだ。

 「やっと1軍で勝負ができる。途中からどうすればいいか悩んだ。今は(直球で)140キロが出るか出ないか。(その状態で)抑え方を考えながらやってきた。勝てる場面ではないかもしれないが、言われた場所で投げたい」

 10、11年のリーグ連覇に貢献し、最優秀中継ぎ投手にも輝いた。79試合登板で防御率0・41だった11年にはリーグMVPを獲得。しかし、その後は右肩の故障に悩まされ、16年は登板なし。昨年10月1日のヤクルト戦(神宮)で通算200ホールドを達成してから、1軍マウンドから遠ざかっていた。

 試行錯誤を重ね、今季はウエスタン・リーグで27試合、防御率2・67と結果を残して、ようやく1軍昇格の声がかかった。心が折れそうになることもあったが「あきらめないで良かった」としみじみと言った。

 チームは8月に入って5連敗を含め、3勝7敗と低迷。ここ2試合は先発が試合を作りながらも中継ぎ陣が崩れてヤクルトに連敗した。ルーキー鈴木博、左腕ロドリゲスがともにこの日、出場選手登録を抹消された。守護神の田島を始め、祖父江、又吉らも2軍調整中とブルペンは火の車だ。全盛期のような最速150キロ超の直球はなくとも、浅尾には修羅場をくぐった豊富な経験がある。自身も、チームもここから再浮上する。【伊東大介】