阪神梅野が奮闘した。2点を追う2回2死一、三塁。カウント1-1からの3球目、ブキャナンの内角への147キロ直球をコンパクトにはね返した。打球は三塁線を鋭く抜け、1点差に迫る適時打となった。

 「神宮ではある程度打ち合いになる。なんとか打てるところで1本とは思っていた」

 8月に入り、梅野のバットが熱量を上げている。この日は第2打席でも左前打を放ち、3打数2安打。打率はまだ2割3分9厘ながら、梅野も「いい方向には進んでいる」と話したように、8月は3割5分1厘。下位打線を引っ張っている。昨季も8月は3割2分6厘と、絶好調だった。今季も夏男ぶりを存分に発揮している。

 守備でも投手を支える。現在盗塁阻止率は3割4分。シーズンが始まる前に掲げていた目標のひとつで、現在セ・リーグトップを走る。ここぞの場面で決めてきた犠打も「21」と両リーグ通じてトップタイ。この日は悔しい1点差負けを喫したが、上位争いは続く。僅差の勝負を勝ちきるため、選手会長が攻守で執念を見せ続ける。【古財稜明】