今季最多の借金9を背負う阪神は8月31日、DeNA18回戦(甲子園)が降雨とグラウンド状態不良のため、ノーゲームになった。3連敗中の悪い流れはこの日も変わらず。序盤から点の取り合いで2回に3点を勝ち越される苦しい展開になった。3回1死二塁の守備中、豪雨になり、この日3度目の中断の末にノーゲーム。敗戦なら、借金2桁に達していただけに「救いの雨」だった。9月末以降は最長13連戦になる可能性も浮上するが、ともかく仕切り直して9月に向かう。

阪神が陥っていた苦境は雨で流れた。3点のビハインドも、先発秋山が食らった2被弾も、すべて豪雨とともに消えた。3回途中のノーゲーム。この日も劣勢に立たされていた金本監督は「悪い展開だったけど流れだからね。気分が変わってくれたらいい。選手がまた気分を変えてね。流れも変えられるようにしたいですね」と前を向いた。

プレーボール直前から、甲子園の上空を灰色の雲が覆う。断続的に雨が降り、再三の中断を強いられたが「救いの雨」になった。序盤から旗色が悪い。先発秋山が1回、ロペスに先制アーチを浴びるとその裏、すかさず同点に追いつく。だが2回はソトのソロ弾、大和の三塁線を破る2点二塁打で再び3点のリードを許した。秋山は3回も1死二塁のピンチを背負う。ソトに4球目を投げ終えたところで3度目の中断だ。

20分近く天候の回復を待ったが、グラウンド状態も悪化し、ノーゲームが決まった。金本監督は「まだ2回、3回か。先が分からんかったから。浜口も今日、あまりよくなさそうだった」と闘志満々だったが、前日8月30日までのヤクルト3連戦は合計3得点にとどまるなど打線は下降線で、不利な状況は雨で消えた。

試合前まで長期ロード明け3連敗中で今季最多の借金9に膨れ上がっていた。敗れていれば大台の「10」に達する危機的状況だったが一難は去った。ただ、指揮官の表情は晴れない。

「きつくなるわね。しょうがないわね、これ、もう…。天気だから」

今季、雨天などで試合を見合わせたのは実に17度目だ。9月下旬以降の日程はさらに過密になる。雨天中止だった7月28日ヤクルト戦(神宮)の代替日も未定。2試合を追加する必要があり、球団関係者によれば10月6、8日の試合開催が濃厚だという。最長13連戦になる可能性が高まった。

先行きは読めないが、ともあれ、水入りとともに仕切り直す。今季、中止の次戦は9勝2敗1分け。好相性を生かし、新たなツキを呼びたい。【酒井俊作】