監督、足は大丈夫ですよ! 阪神福留孝介外野手(41)が連日の大暴れだ。前日1日は3安打4打点でダイヤモンドを駆け回り、金本監督から「足が心配なので」と苦笑いで心配されていたが、なんの、なんの…。元気にスタメン出場したこの日も先制打を含む3安打2打点で期待に応えた。キャプテンに引っ張られ、約1カ月ぶり、甲子園では今季初の2桁得点で爆勝。CS争いが激化する勝負の9月を連勝で滑り出した。

弓のように引いたバットを解き放った。投手との間を制する打撃フォームで、福留がチームに勝利をもたらした。試合を動かしたのは3回1死一、二塁。DeNA今永の低めスライダーをとらえた。打球は浜風を切り裂き、右翼手の頭上を越えた。滑り込まない先制適時二塁打に、ベース上で激しく両手をたたいた。

「若い選手が塁に出てくれるからね。それに応える仕事が出来てよかった。でも今日は若い選手がね。俊介だったり陽川がよく頑張ってくれてるよ」

3点差に迫られた6回にも、無死二塁から右前適時打。続く糸井の右前打で一気に三塁へ向かった。前日1日には二塁打と相手失策が重なってベースを1周。疲労もなんのその。「試合に出てる以上、そんなことは関係ない」と、打って走って、感情を出した。7回にも左前打を放ち、今季8度目の猛打賞だ。

後輩の快挙にも花を添えた。日本時間1日に女子野球ワールドカップで日本が6連覇を達成。3番中堅の三浦伊織外野手(26)が2打点をマークした。福留と三浦は打撃の師匠でもある佐々木恭介氏を通じて知り合い、練習見学を受け入れたこともある。初対面のときから、放たれるエネルギーに福留は驚いたという。「やっぱりそれだけ野球を必死にやっていた。野球を中心にしてね」。女イチローとも呼ばれる三浦の、真っすぐな目、野球に対する姿勢。3安打は大会前にエールを送っていた後輩の祝福にもなったはずだ。

主将の姿に引っ張られ、チームは15安打12得点。8月4日以来の2桁得点は、今季甲子園では初めてだった。連勝で5カードぶりの勝ち越しも決めた。金本監督も「ベテランも若手もみんなハツラツとプレーしてくれて、しかもこんなに点を取ってくれて。本当にすっきりした試合でした」と笑顔。福留は最後に、明日4日からの広島戦へ向け「しっかり勝てたことは大きいし、ムダにしちゃいけない。気分的にもいい形でね」。2位ヤクルトとは3ゲーム差に接近。引き寄せた流れを、手放すつもりはない。【池本泰尚】