ソフトバンクに「ミスター短期決戦」が帰ってきた。今日17日から始まる西武とのCSファイナルステージ(メットライフドーム)に向け、内川聖一内野手(36)が16日、合流した。昨年のファイナルステージで4戦連発の大活躍をするなど、ポストシーズンに無類の強さを誇る。獅子を倒しての日本シリーズ進出に向け、頼もしい男が戦列に復帰した。

きっちりセットされ、決まった髪。キリッと前を見据える表情。内川の全身には、決戦の舞台へ向かう緊張感が漂っていた。フェニックス・リーグ開催中の宮崎から空路で東京入りし、冷静かつ淡々とした口調ながら、熱い意気込みを示した。

内川 ここに立たせてもらえるのは、ぼくがどうこうできることじゃない。みんなに感謝して、出られたところで頑張ります。

内川は8月中旬に疲労性の体調不良のため、出場選手登録を抹消された。9月に敵地で迎えた西武との2度の3連戦は、主将を欠き3連敗、1勝2敗と大きく負け越し、優勝を逃す決定打となった。

10月に入り本格的に実戦に復帰すると、8日からは若手とともに宮崎でフェニックス・リーグに参加。徐々に調子を上げた。11日西武戦では、CSでも先発が予想される多和田から安打、榎田から本塁打も打った。「フェニックスですからね。本番になれば違った話になる」と冷静だったが、味方にとって心強いのは間違いない。

短期決戦で、頼れる男だ。昨年のファイナルステージ楽天戦での史上初4戦連発は記憶に新しいが、これまでにCSでMVPを3度獲得。日本シリーズでも14年にMVPと、大一番で力を発揮してきた。藤本打撃コーチも「期待しとるよ。そういう(短期決戦での)実績もあるし、状態がいいと聞いたら、上げない手はない」と話した。

まず初戦は代打待機で、ここ一番の場面にかける。状況次第で、2戦目以降は先発出場の可能性もありそうだ。工藤監督は「とにかく日本一になることを目指してやっている。さらなる大きい山を乗り越えられるように、1つになってやっていきたい」。最後の山賊退治へ、不死鳥・内川とともに所沢へ乗り込む。【山本大地】