今秋ドラフト1位候補の立命大・辰己涼介外野手(4年=社)が、持ち前の足で魅せた。

「3番中堅」で先発し初回の第1打席。セカンドの前へ打球を放つと、一塁まで激走し内野安打に。第2、3打席と凡退し、9回の最終打席でも、セカンドへ打球が飛んだ間に俊足を飛ばし、内野安打とした。「何か勢いを付けられれば最終回は何があるか分からない」と5番打者の2球目に二盗、3球目には3盗にも成功。「内野安打が一番気持ちいい。でも勝っておきたかったなと思います」。逆転とはならなかったが、足で見せ場を作った。

「盗塁はあまり意識していなかった」とこの春まで大学通算11盗塁ながら、この秋は5盗塁。「上のレベルでやるとなったら、ギリギリの勝負になる」とスタートやリードの幅を意識し始め、盗塁急増につなげた。

この日の2安打で大学通算117安打となり、リーグ歴代3位の中馬秀雄氏(立命大)の115安打を抜いて、歴代の立命大選手で単独トップの数字となった。歴代1位のオリックス2軍監督・田口壮氏(関学大)の123本には、あと6本。3戦目までもつれれば、不可能な数字ではない。「今のところは大学野球を楽しむことしか考えていない。4年間やることはやってきたと思うので、評価してくださることを期待して待ちたい」。記録を引っさげてプロの世界を目指す。