広島新井貴浩内野手(41)が、ソフトバンク千賀攻略へ「好球必打」を説いた。「SMBC日本シリーズ」は今日27日にマツダスタジアムで開幕する。新井は26日に行われた全体練習に参加。初戦に激突する千賀について語った。

「素晴らしい投手。それはみんな分かっていること。対戦もしているし、事前にミーティングをしてデータも頭に入っている。でも一番大事なのは好球必打。データばかりで、頭でっかちになってはいけない」。今季限りで引退する大ベテランにとって、現役最後の大舞台。初戦はベンチスタートが濃厚だが、イメージを描いた。

チームは過去に千賀と3試合の対戦がある。うち先発は2試合。今年は5回3安打無得点、2年前は5回2安打1得点と打てていない。緒方監督はこの日の会見で「初戦は是が非でも取りたい」と力を込めた。苦手の千賀攻略が34年ぶり日本一への突破口になる。

後輩も新井を胴上げして送り出したい。4番鈴木は「スーパーピッチャー。打つ以外でも得点につながれば。ゲッツー崩れで得点が入ればいい。真っすぐを仕留めないと」と強調した。

新井はユニホームを脱ぐ瞬間が刻一刻と近づいている。2年前の日本シリーズでは黒田博樹氏の引退が迫り、感傷的になっていたという。だが今は、日本一を勝ち取ることしか考えていない。「ひとつ言えるのは、日本シリーズの経験があること。それは大きい。プレーでも気持ちでも、自分たちは一丸となって攻めていく」。束となってマウンドの右腕に襲いかかる。【大池和幸】