球団初の下克上日本一を達成したソフトバンクが一夜明けた4日に大量8人に戦力外通告を行う大なたを振るった。摂津、五十嵐、寺原、吉村、城所と長年ホークスを支えてきたベテランたち。加えて、笠原、張本、茶谷は育成での再契約を見据えた戦力外通告となった。引退した本多を含め、今季の支配下70人から12人が枠を外れる。

<記者の目>

今季、支配下枠いっぱいの70人で戦ったソフトバンクは、来季へ向け枠を空ける必要があった。小沢、黒瀬、茶谷は高卒3年目での戦力外通告。古沢、笠原、張本も含めこの6人には来季、育成での再契約を考えている。

選手が育つまでには時間がかかるため、支配下から数年で育成契約に変更することは09年から行っている。だが、過去15人で支配下へ返り咲いたのは3人。肘のリハビリの意味が大きかった柳瀬を除けば、有馬、坂田の2例しかない。有馬はシーズン途中で昇格もその年限り。坂田は左肩を痛め育成に再降格した。

ソフトバンクは11年から3軍制を取る。今季育成は25人でスタート。支配下になったのは捕手の堀内とルーキー左腕大竹の2人だけ。「1軍レベルにならないと昇格させない」と球団幹部は説明するが、捕手不足、先発不足などチームの状況にも左右される中で2、3枠を目指す。

過去は1年で最大3人だった育成への降格。今回、全員が再契約をすれば1度に6人も増える。一気の増加は、やはり気になる。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】

 

◆ソフトバンクの支配下ドラフト指名から育成となった選手

09年 大西正樹※4年目

11年 柳瀬明宏◎6年目

  大田原隆太※6年目

  鈴木駿也※3年目

12年 有馬翔※◎4年目

  豊福晃司※3年目

13年 下沖勇樹※4年目

14年 坂田将人※◎4年目

  南 貴樹※4年目

15年 吉本祥二※4年目

  白根尚貴※4年目

16年 川原弘之※7年目

  伊藤祐介 4年目

  李 杜軒※10年目

17年 坂田将人※7年目

18年 島袋洋奨 4年目

【注】※は高卒、◎は支配下へ復帰、何年目は育成としてのシーズン開始年。17年の坂田は2度目の育成契約