ソフトバンク甲斐拓也捕手(26)が26日、ヤフオクドーム内の球団事務所で2度目の契約交渉を行い、2500万円アップの6500万円でサインした。日本シリーズで6連続盗塁阻止で広島の足を止め、MVPに輝いた「甲斐キャノン」の守備力を球団が高評価。前回から1000万円近い上積みを勝ち取った。

交渉終了を待ち受けた取材陣に、甲斐はスーツの上から「甲斐キャノン」の由来といわれる人気アニメ「機動戦士ガンダム」のガンキャノンの格好をさせられた。ファーストガンダム世代ではない甲斐は「こんなの絶対嫌ですよ。この帽子はやめましょう」と理解できないまま、笑顔でポーズを取った。

両リーグトップの盗塁阻止率4割4分7厘。高い守備力を、改めて球団に評価してもらった。三笠球団統括本部本部長は「最後は歩み寄り」と説明した。打撃面での数字が低いことから、当初の球団提示は微増だった。「最初は正直さみしいなと思ったが、捕手というポジション、守りを評価してもらった。結果で恩返ししたい」。前回は1時間、この日は40分しっかり話し込んだ。前回交渉より1000万円上積みされ、今季から2500万円増を勝ち取った。

「春のキャンプで王会長から、打たないと金にならないと言われたことをすごく実感している。打てる捕手と言われるのは打率3割」。今季は2割1分3厘。来季の最低限の目標2割5分をクリアしない限り、試合途中で代打を送られるケースも減らない。1月の自主トレは沖縄。正捕手3年目の来季は打力も上げ、不動の「甲斐キャノン」として、ホークスの本塁を守り抜く。【石橋隆雄】(金額は推定)