松坂さん、待っててください! 阪神ドラフト3位のホンダ・木浪聖也内野手(24)が、怪物との対決を心待ちにした。2日、青森市内の青森大学室内練習場で約2時間、自主トレを公開。新人年の最初の目標は「平成の怪物」打ち。木浪は青森・東津軽郡外ケ浜町(旧蟹田町)生まれで、中日松坂も同町の同じ病院生まれ。運命的な巡り合わせをもつ松坂との対戦に胸を膨らませた。

雪で真っ白な大地で、木浪が闘志を燃やした。白い吐息から、込み上げる思いが伝わってくる。

「今の状態はバッチリです。あとはやるだけ。やっぱり、何かの縁だと思うので、戦ってみたい」

ルーキーイヤーの19年。最初の目標は「平成の怪物」打ちだ。松坂とは不思議な縁がある。木浪は青森・東津軽郡外ケ浜町(旧蟹田町)生まれで松坂も同町生まれ。しかも、同じ病院で生まれている。昨年12月の入団会見で「同じ舞台に立てるのは夢のような感じ。もし戦ったら思い切っていきたい」と語ったが、新年を迎えても気持ちは変わらず、ターゲットを再度ロックオン。描いているのは、あこがれの右腕を打ち崩すイメージに違いない。

阪神は18年、松坂と4度対戦。本塁打を放った選手はおらず、計23イニングを6点に抑えられるなど1勝3敗と苦戦した。「怪物キラー」誕生に期待がかかる。

そして「青森代表として。特に青森市の出身なので。こっちは新聞とかも、あまり大きく載らないので、みんなに活躍が分かってもらえるような結果を出したい」とも語った。青森山田時代のチームメートには中日京田がおり、かつての仲間は17年の新人王に輝いた。「(新人王は)目標としては持っている。最終的にたどり着けたら」と言い切った。

この日は母忍さん(51)が見守る中、父弘二さん(51)の強烈ノックをさばき、兄拓馬さん(28)の投げる直球を打ち返した。「社会人で(打球の)いい手応えが増えた。飛距離だったり、全てに関して良くなった。ミスショットが減ったのかも知れない」。フレッシュマンが、本州最北端から甲子園にやってくる。【真柴健】

◆木浪聖也(きなみ・せいや)1994年(平6)6月15日生まれ、青森県出身。篠田小1年から安田ヤンヤンで軟式野球を始め、青森山田中で硬式野球部に所属。青森山田高では中日京田と同学年。3年夏は3回戦で北條(阪神)を擁した光星学院(現八戸学院光星)に敗れ、甲子園出場はならなかった。亜大では1年春からリーグ戦に出場。1年秋と3年秋に明治神宮大会優勝を経験。ホンダでは1年目から二塁、三塁を守り、2年目から遊撃手に定着した。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。