楽天のドラフト1位辰己涼介外野手(22=立命大)が“大は小を兼ねる”打撃でプロの世界に挑戦する。9日、仙台市内で新人合同自主トレがスタート。「ケガせんように、徐々に上げていきます」と助走段階ながら、平石監督は「走る姿だったり、投げる姿だったり、イメージ通り。いいものがある。バットを振る力もありそう」。ティー打撃とマシン打撃で披露した鋭いスイングを評価した。

監督の見立ては、辰己の狙いと合致していた。大学時代から使う「86センチ、920グラム、ミドルバランス」のバットは、楽天で活躍して昨季限りで引退した聖沢諒氏のモデルで「カタログで見ていて、形にビビッときた」。プロ入り前、速球への対応を念頭に同型880グラムのタイプも作ってもらい、練習場に持ち込んでいる。しかし今は、ひたすら重い方を握っている。「振る体力もつく。この時期は大振りでもいいくらい振って、そこから修正していく。パワーがないのに、いきなり本塁打を打つのは難しいじゃないですか。同じように、小さいところから大きく振ることも難しい。大きくから小さく、なら(修正)できる」と明かした。

課題は自覚している。6日に測定した体脂肪率は7%。昨年は身長180センチに対して体重が67キロまで落ちた時期もあった。入寮日の夕食も「みんなペロッと食べていたけど、同じ量で吐きそうになりました」と苦笑する小食ぶり。理想の打者像に近づく上で、食トレの必要性を感じている。「単打から本塁打まで、幅広く警戒される打者になりたい。(本塁打は)10本20本、しっかり打っていきたい」。平石監督はキャンプ1軍スタートを示唆。大きな夢を広げ、練習に明け暮れる日々が始まった。【亀山泰宏】