日本野球機構(NPB)による新人研修会が11日、都内で行われた。昨季限りで引退したプロ野球史上初の1000試合登板、岩瀬仁紀氏(44)がプロの心得を説く講師で登壇。

日本ハム吉田、中日根尾ら金の卵が並ぶ中で、楽天のドラフト3位引地秀一郎投手(18=倉敷商)が飛行機恐怖症を打ち明ける「珍質問」で場を和ませた。

引地 飛行機に乗れないのですが、どうすればいいですか?

岩瀬氏との質疑応答。通算最多登板を誇る大先輩に対し、なかなか手が上がらない。岩瀬氏が「もっと、ざっくばらんに」と促すと、18歳右腕が思わぬ角度の質問を投げかけた。受講中の選手たちは笑いをこらえる様子。岩瀬氏も苦笑いで「チームの移動は決まっていること。薬を飲んだり、慣れるしかない。『嫌い』ではこの世界、通らないので」と直球の返答。やりとりに、会場外の報道陣からも笑いが起こった。

研修後、引地は「体が浮いている感覚がダメで、いつか落ちるんじゃないかと。エレベーターもダメです」と告白した。中学3年の沖縄修学旅行以来、飛行機に乗っておらず、その際も「緊張で恐怖で戦っていた」という。楽天はビジターのソフトバンク、日本ハム、オリックス戦の移動は航空機が多い。2月からのキャンプ地も沖縄・久米島で飛行機となる。引地は「酔い止めを使って、全力で頑張って耐えたい。慣れるしかない。1軍に上がりたいですし」。遠征で各地を飛び回り、飛行機嫌いを克服できるか。【鈴木正章】