「坂本2世」が“師匠愛”たっぷりに始動した。

風邪で出遅れていた巨人ドラフト2位の増田陸内野手(18=明秀学園日立)が12日、川崎市のジャイアンツ球場で3日目を迎えた新人合同自主トレに合流した。高校時代は光星学院(現八戸学院光星)で坂本勇を育てた金沢成奉監督(52)に指導を受けた。約3時間の初練習を終え「風邪をひいた分、少しキレがなかった。遅れてしまったのは自分の責任。自分で取り戻したい」と汗をぬぐった。

攻守に色がにじんだ。練習用グラブは白地に赤を差した人目を引く配色。「坂本さんが使っていたものがよくて」とグーグル検索で15年自主トレ時の画像を引っ張りだし、SSK社に依頼した自慢の相棒でノックを受けた。マシン打撃では「今まであまり打ったことがない」とアーム式に苦戦も、左足を高く上げるフォームでタイミングを合わせた。「反動をつけてバーンと飛ばしたい」と、金沢監督の指導を坂本勇の高校時代の打撃動画で復習。のけぞるほど大きなフォローで52スイングを振り込んだ。

5年ぶりにかかった風邪の影響で、予定から2日遅れの10日に入寮。部屋の玄関には坂本勇のプロ初本塁打の写真パネルを飾り「毎朝眺めてから部屋を出ます」。練習中に着用するビブスに刻まれた背番号は、坂本勇が新人時代に背負った61。“師匠”に追いつき、追い越すために1歩ずつ階段を上る。【桑原幹久】