パンチ力もありまっせ! 阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)が「プロ1号」を放った。29日に沖縄・宜野座で行われた合同自主トレに参加し、秘めたパンチ力を披露した。フリー打撃で59スイング。そのうち、1本は低い弾道で右中間フェンスを越えた。昨年の都市対抗では東京ドームで逆方向にアーチを放っている。俊足に注目が集まるが、長打力にも期待が高まる。

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低い弾道は右中間に向かった。失速せずに、グングンと伸びる。一気にフェンスを越え、芝生席に着弾。近本の14スイング目だ。「プロ1号」のアーチを描いた。「(1発は)いい感じでした。いい気温だったので、いい汗がかけました」。新人合同自主トレを打ち上げ、舞台は沖縄・宜野座に移った。年明けから屋外でフリー打撃を行うのは、この日が初めて。即戦力ルーキーがベールを脱ぎ、秘めたパンチ力を披露した。

柵越えは1本だけだったが、59スイングで鋭い打球を連発した。「(気温が高く)自分の力以上に出てしまう時があるので、しっかりセーブしながらですね」。オーバーペースにならないように、自らを抑えながらバットを振った。いわば、まだ試運転の状態。それでもスイングは力強かった。昨年の都市対抗準決勝(東京ドーム)では、逆方向に決勝のソロ本塁打を放った。5番に座り、打率5割2分4厘で大阪ガスの初優勝に貢献。「赤星2世」と呼ばれる俊足に注目が集まるが、実は長打力も兼ね備えている。

近本が打力も発揮すれば、虎の外野争いはさらに激しくなる。ベテランの福留、糸井が両翼に就くことが予想され、センター争いは激化の方向。この日のシートノックでは16年新人王に輝いた高山と近本が中堅を守り、“新旧ドラ1”が火花を散らした。16年ドラフト1位で近本と同学年の大山も「自分自身がしっかりやらないといけない。切磋琢磨(せっさたくま)してやっていけたらと思います」と気を引き締め、柵越えを連発。チーム全体に刺激を与える存在になりつつある。

2月7日には矢野阪神初実戦となる紅白戦が控えている。「しっかり(実戦を)イメージしてですね。バッティングピッチャーのスピードも考えながら、実際にイメージします」と近本は言う。秘めたパンチ力を実戦でも見せつけるか。キャンプインが待ち遠しい。【真柴健】