巨人原辰徳監督(60)が、選手自ら考える“シンキングベースボール”で、現状の力量を見極めた。3日、宮崎キャンプで巨人としては最も早い時期に「1軍若手VS2軍若手」の紅白戦を行った。7イニングの試合で、盗塁を試みたのは8回。すべてノーサインで、1軍は吉川尚、田中俊、2軍は立岡、村上と4回成功。積極的に次の塁を狙う姿勢に「秋から言って、春またあらためて意識しているのではないですかね。非常に良かった」と評価した。

昨季は12球団ワーストタイの61盗塁に終わった。今キャンプでは代走のスペシャリストだった鈴木外野守備走塁コーチが、全体メニュー終了後に走塁指導に取り組んでいる。原監督は「今までが間違っていたのではなくて、そこに少し上乗せする。強く意識を持たせるということですね」とトライ&エラーの中で成長をうながしている。

投手は1球1球、自ら捕手にサインを出して投げ込んだ。投手が自らのストロングポイントを考え、状況やカウントに応じて球種やコースを決める。捕手にも投手の考えが伝わり、相乗効果が生まれる。2軍先発の坂本工や、1軍3番手で2回無失点に抑えた大江らがアピールを決めた。

原監督は「非常に気持ちも技術もいろいろなものが見えた気がします」と言った。守備では1、2軍で合計4失策あった。競争をテーマに掲げる中で、この日の結果や、10、11日に予定されている1軍紅白戦の内容で、13日から始まる沖縄キャンプ行きのメンバーを再編する予定。「(1軍が)幸い負けなくて良かった。負けたら総取っ換えだよ」と笑いながら、実戦の中で若手の力量をインプットした。【前田祐輔】