ソフトバンクのドラフト1位甲斐野央投手(22=東洋大)が7日、初めてフリー打撃に登板し、主砲の柳田悠岐外野手(30)を斬った。直球は最速150キロをマークし、バットをへし折るなど、20球を投げて安打性の打球2本に抑え込んだ。初めてプロの打者を相手にしたマウンドで堂々の投球を披露し、大器の片りんを見せた。

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甲斐野が柳田に投げた初球だった。思わず主砲が、声を漏らした。「速っ!」。連続ファウル後の3スイング目でやっと前に飛んだが、力のない左飛。そして、衝撃の時がきた。ボールをとらえた柳田のバットが、根元から真っ二つに折れた。折れた先は甲斐野の頭を越え、後方で見守る高村投手コーチの左頬付近を直撃した。

柳田にとって、今年初の生きた投手の球だった。「1球目がめっちゃ速かった。速いのは速い。(折れた理由は)わからなかった」と言葉は少なかったが、大器の片りんを見せるには十分すぎるドラフト1位の“デビュー戦”になった。

甲斐野 力みましたね。自分のボールを投げることを意識していました。ブルペンでやっていることをマウンドで生かせるのをテーマにしている。ある程度できたので収穫はありました。(バットが折れたのは)詰まって折れたわけじゃない。まだまだです。

プロに入って初めて打者を相手にした投球で、物おじしなかった。打席には上林、柳田の主力級が並んでいた。直前まで相手を知らなかったという甲斐野は「(柳田が)最初に打席に入られたときは『ウワッ』って思いましたが、自分のボールに集中していた」と冷静だった。上林に17球を投げて安打性2本。柳田は20球で2本しかなかった。

この日の最速は150キロで、常時149キロを計測。ボール球は10球しかなく、高めに浮いた球や大きく外れた球もなかった。倉野投手コーチは「この時期にバッピ(打撃投手)でなかなか出ない。ブルペンより球質も安定していた」と高く評価。工藤監督も「もう、明日の1面は決まったな」とご満悦だ。第3クールからはシート打撃など、実戦形式の練習が増える。甲斐野は「決まったときの球はいいけど、確率をもっと高めていきたい。投げるだけでなく、連係とかもしっかりやっていきたい」とさらに上を見た。【山本大地】

甲斐野にとって最初の打者となった上林は、17球で安打性2本だった。「速い。(左打者の)外角はシュート、内角はカットする。動くイメージ。低めがピューッと伸びる感じ。この時期で150キロ出るんですから。力強い」と絶賛。12スイング中半分の6本がファウルと、押し込まれた。

ソフトバンク甲斐(甲斐野の球を受け)「手元で動く時もあれば、きれいな直球の時もある。ギータ(柳田)さんになってギアが上がったかな。バットが折れたのは外角だった。日に日にバランスがよくなっている。これがマックスではないので、もっともっと引き出していきたい」

オリックス山本スコアラー「この時期だが、柳田が全部遅れて差し込まれていた。ベース付近で押し込んでスピン量が多い。短いイニングを投げるならまた力を発揮する」

ロッテ吉井スコアラー「指に球がかかっている。力がある。実戦向き。打者が立つと力が入る。(今後)変化球を投げてどうなるか。新人は4人ともタイプが違う。さらに手ごわくなりそう」