激熱の遊撃争いだ! 阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が10日、沖縄・宜野座キャンプで行われたシート打撃で、左腕岩貞から2打席連続安打を放ち、さらに株を上げた。

視察に訪れた侍JAPAN稲葉篤紀監督(46)も打撃センスを絶賛。遊撃に再挑戦している鳥谷敬内野手(37)も二塁打を放った。鳥谷が聖域に返り咲くか、勢いある木浪がポジション奪取か…。北條、植田らもひしめく激戦区から目が離せない。

新顔のバットがまたも快音を奏でた。右に左に。木浪が巧みなバットコントロールで広角に打ち分けた。

「実戦で初めての左投手だったので(体が)開かないことだけを意識した結果がいい方向につながった」

侍JAPANにも選出された経験のある左腕岩貞から2打席連続安打。1打席目は内角にきた121キロスライダーを引っ張り込んで右中間へ。足を止めることなく、一気に三塁に到達。2打席目は外角高めの137キロ直球をきれいに流した。

視察に訪れた稲葉監督も「(左投手から)非常にコンパクトに右中間とレフト前にうまく打っている。内角真っすぐもファウルになったけど、ライトに引っ張れる。素晴らしい打撃をしていると感じましたね」と、一目を置く内容だった。

左腕対策を練って、プロの扉を開いた。社会人1年目に左右の投手別打率を見比べた際に「左が全然ダメだった」と感じた。そこで、2年目は左腕投手のボールを「克服しよう」と、打撃投手にも苦手コースを注文して数多く打った。そんな努力家は“一発屋”では終わらない。7日紅白戦で決勝3ランを放ち、注目を集めたばかりだったが、この日も結果を残した。矢野監督は「内容がある。スライダーを引っ張って、真っすぐを逆方向に打って走塁もよかった」と褒めた。さらに「どんどん株を上げてね。(競争が)面白くなってきたんじゃない」と、内野陣のレギュラー争いを楽しみにした。

木浪は本職の遊撃に加えて、二塁、さらに三塁も守れる。そんな新顔には負けまいと、ベテランも負けじと存在感をアピールだ。左中間二塁打を放った鳥谷は「(調子は)普通です。(紅白戦は)頑張ります」と淡々と語り、球場を後にした。北條、植田らも狙う遊撃のポジション。結果を出し続ける新顔が、ダークホースとなる。【真柴健】