ファンとの接触で右肩の炎症を起こしている中日松坂大輔投手(38)の開幕1軍が、絶望的になった。13日に沖縄を離れ、14日に検査と治療を行った。球団は「明日も検査と治療を受ける予定。明後日(16日)朝に報告を受ける」と発表。キャンプへの再合流は早くても16日以降で、キャッチボール再開のメドは立っていない。

与田監督は「今後のことは決まっていない。報告を聞いた上で判断したい。医者によっては、同じ検査画像でも1週間や1カ月の投球禁止と判断が変わる。本人の感覚もあり判断も難しい」と心配そうに話した。16日に松坂と直接話し合い、今後のスケジュールを検討する予定。しかし、早期復帰には暗雲が垂れこめている。

キャンプ中に遠投で肩を作り、ブルペン入りする青写真を描いていた。しかし、キャンプ序盤に米国永住権の継続申請で3日間キャンプを離脱。再合流後の11日に右肩の違和感によるノースロー調整を発表。12日の診察で「右肩の炎症」の診断を受けノースローが続いている。キャッチボールも約60メートルの距離をこなした時点で止まったまま。ブルペン入りの前のステップである遠投は、さらにずれ込む格好だ。

昨季は11試合に登板し、チーム2番目の6勝を挙げ、カムバック賞も獲得した。「倍の試合を投げる」と目標を掲げてきたベテランが、思わぬ形で大きな後れを取ることになった。

<中日松坂の今キャンプ>

◆1日 2年ぶりの背番号「18」を披露。根尾と初対面し「勘違い」の勧め。

◆2日 練習後、1時間30分におよぶ単独サイン会。300人と触れ合った。

◆8日 グリーンカード(米国永住権)申請のため、米国に渡航してから、北谷キャンプに再合流。室内で1人、ダッシュやキャッチボール。サイン会も。

◆9日 連日の即席サイン会。室内練習場の前で約30分ペンを走らせた。

◆11日 球団が「数日前、ファンと接触した際に右腕を引かれ、右肩に違和感を覚えているため、しばらくの間ノースロー調整が続く予定」と発表。

◆12日 午前に沖縄市内の病院で検査。右肩に炎症が見つかり、球団は「炎症が治まるまで、ノースロー調整の予定」と発表。

◆13日 極秘に沖縄を離れ、関東圏か中部圏の病院で検査、治療を受けた。

◆14日 球団は15日も検査、治療を継続し「16日朝に報告を受ける」と発表。