少し気の早い春の珍事だった。西武が23日、高知・春野での練習試合ロッテ戦で6併殺を奪った。

立ち上がりに2失点した先発本田が、ロッテ清田を二ゴロで併殺打に仕留めて始まった。佐野、田村と続く3人で、それぞれ2個ずつ併殺を奪って6イニング連続。辻発彦監督(60)も「6回? すごいな。投手がゴロを打たせたことはいいこと」と評価した。

強風が吹く上空の影響を受けることなく、黒土の上を打球が転がった。2番手佐野はコースで打ち取る。「ゴロになるゾーンを意識して投げた。低めやインコース」。5回から登板した田村は、新球シュートがさえ「秋から取り組んできたボールでゲッツーをとれた。うまく芯をずらせたことは自信になる」。中村奨を遊ゴロ、田村を三ゴロに引っかけさせた。

ピンチを背負い奮闘する投手陣を、鉄壁内野陣が後方支援した。先発は二塁外崎、三塁中村、遊撃源田。6回から二塁に新人の山野辺翔(24=三菱自動車岡崎)三塁に佐藤龍世(22=富士大)遊撃に山田が入っても崩れない。公式戦で6イニング連続併殺は、2リーグ制後3度しかない珍事。同監督は「打たれるのは仕方がない。大量失点にならないように、低めに投げてゴロを打たせれば、あれだけの併殺が生まれる」と振り返った。【栗田成芳】