日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18=金足農)が23日、プロ初の春季キャンプを打ち上げた。

22日に右前腕の軽い張りを訴え、シート打撃での登板を回避。しかし気にするそぶりも見せず、キャッチボールや守備練習を行い「充実した日々を過ごせたなと思います」と総括した。1カ月を振り返る。

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南国の地で迷っていた。「プロに入って(投球の)全体をしっかりまとめないといけないなと思った。周りの先輩たちがいろんな変化球を持っていたりして、自分もこれがあればいいなとか」。昨夏の甲子園を沸かせた最速152キロの直球。自信をもってきた武器だけではプロでは通用しないと、薄々感じていた。

首脳陣やキャンプ地を訪れた解説者から直球の重要性を説かれ、迷いは消えた。「自分の大事なもの、直球を磨いていかないといけないなと、あらためて思った。気持ちがしっかり決まった」。

秋田出身の青年は、人生で初めて訪れた沖縄の澄んだ空気を吸って、力としていた。「休日とか、練習終わりとか、暖かい日は海に行ったりしてました。楽しかったです。海でぼーっとしたり、いいリフレッシュになったなと思う」。常に周囲の目の中にあって、変わらなかったスケールの大きさと純朴さ。この先も、自分の大きな助けになるはずだ。

キャンプを通しての自己採点を問われ「初めてだったので、80点とかそのくらいですかね」とすこし照れくさそうに言った。「しっかり実戦形式で結果を出して、1軍にできるだけ早く上がって、チームの優勝に貢献できるようにしたいと思う」。シーズンがますます楽しみになる助走を終えた。【山崎純一】