開幕ローテぐいっ! 広島床田寛樹投手(24)がDeNAとのオープン戦初戦に2番手として登板し、3回0/3を無失点に抑えた。先発候補が結果を残せない状況で、3年目左腕は対外試合2戦連続で結果を残し、開幕ローテーション入りを大きくアピールした。

マウンド上でひょうひょうと、そしてテンポ良く、左腕を振った。4回から2番手で登板した床田は立ち上がりを3人で切ると、5回以降も左打者に対し、強気に内角を攻め、走者を背負っても慌てなかった。2試合連続無失点投球は、またも無四球。持ち前の制球力を武器に評価を上げた。

「2、3イニング目の先頭を出してしまった。のらりくらりの投球。結果は良かったですが、内容は先頭を3回も出しているので自分の中で良くなかった」。2戦連続の好投も「60点」と厳しい自己評価だった。

収穫はもちろんあった。今キャンプで取り組んできた左打者の内角をえぐるツーシームが効果的だった。5回無死一塁では1番神里にバットを振らせず、見逃し三振。6回2死二塁では倉本を詰まらせて一ゴロに仕留めた。勝負球としてだけでなく、カウント球に盛り込むことでストライクゾーンを広く使えた。

課題も改善された。対外試合初登板の18日韓国KIA戦は立ち上がりに2安打を許すなど、課題を残した。大瀬良の助言を受け、この日は登板前ブルペンで1回を想定して投げ、「2イニング目のつもり」でマウンドに上がった結果、1三振を含む3者凡退。「(感覚が)良かった。続けていこうと思っている」とうなずいた。

大瀬良やジョンソンの主戦を除く先発候補がアピールできない中、床田は結果と内容で順調にアピールを続けている。左肘関節内側側副靱帯(じんたい)再建手術と尺骨神経剥離手術を乗り越えた3年目左腕が自らの力で、開幕ローテをグッと近づけた。【前原淳】

▽広島緒方監督(床田に)「いいものを出してくれているし、課題もある。勝ち負けだけではない。これからも内容を見ていきたい」

▽広島佐々岡投手コーチ(床田に)「粘り強く投げていた。腕が振れて左打者の内角を攻めていたと思う」