カープ色に染まった! 広島長野久義外野手(34)が26日、充実の表情で春季キャンプを打ち上げた。実戦で打席を重ね、チームメートと親交も深めた。濃密な1カ月を過ごし、今後はオープン戦で自らに結果も求めていく。外野のポジション争いを意識し、新天地での定位置を奪う決意だ。

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真っ黒に日焼けした長野の笑顔が、充実度を表していた。慣れない環境の中で広島流のハードトレをこなし、めまぐるしい日々を走り抜けた。1次キャンプから実戦の打席に立ち、2次キャンプでは対外試合での打席を重ねた。広島キャンプ名物の11箇所打撃もロングティーも味わった。全日程を終え「あっという間でした」と白い歯を見せ、こう続けた。

「ケガなくできたことは良かったと思います。シーズンが始まってチームに貢献できれば、チームメートの1人と思ってもらえると思う。まずはしっかりオープン戦で結果を残して、開幕戦に出られるようにしたいですね」

鍛錬の1カ月を終え、開幕までの1カ月は総仕上げと競争の期間となる。実戦で守備には就いていないが、25日には初めてシートノックに加わった。緒方監督は「順調に来ているんじゃないか。めどは立てているし、これからでしょう」と心配していない。ただ、外野は若手の坂倉や西川の仕上がりが早く、猛アピールを続けている。長野にも競争意識は自然と芽生える。「内容も含め目に見える結果を出していけるようにやっていきたい」。ポジションは与えられるのではなく、奪いにいく。

沖縄最後の夜には会沢選手会長らチームメートとともに食事をともにした。新人正随には自身のグラブをプレゼント。真っ赤なユニホーム姿は「まだ見慣れない」と笑うが、広島色に染まった1カ月となった。【前原淳】