昨季限りで現役を引退した中日のレジェンド、岩瀬仁紀氏(44=野球評論家)が引退試合としてロッテとのオープン戦で先発した。

先頭打者のロッテ井上晴哉内野手と対戦。現役時代と変わらないセットポジションで、初球128キロの直球でストライクを取るとカウント1-2からの4球目に宝刀スライダーを投じ、空振り三振に打ち取り、大歓声を浴びた。

内野手たちがマウンドに集まり握手。その後、帽子を取って、スタンドのファンにあいさつしながら降板した。ベンチ前でも与田監督ら首脳陣、選手らとあいさつを交わし、最後に再度、ファンヘ一礼し、ベンチ裏に引き揚げた。レフトスタンドのロッテ応援団からも、「岩瀬」コールを送られての引退登板になった。

今回の登板に向け、毎年オフを過ごした鳥取県のスポーツジム「ワールドウィング」で調整。登板後に岩瀬氏は「恥ずかしいピッチングはしたくなかった。形になって良かった。今まで野球をやってきて、初めて楽しい気持ちでマウンドに上がれた」と、安堵(あんど)の表情で会見を行った。

岩瀬氏は20年間の現役時代1002試合に登板、守護神として日本球界最多407セーブを挙げた。