ソフトバンクのオープン戦序盤が終わった。ここまで4試合終了。これからシーズン開幕まで各選手が調整を行い、争いを繰り広げるが、日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(49)がリーグ優勝奪回を狙う今季の打線をチェックした。7日から「浜名論 打線チェック」と題して2回に分けてお届けする。第1回は、今オフに4年契約を結んだ中村晃外野手(29)の変化に注目。大きな飛躍を予想した。【取材・構成=浦田由紀夫】

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昨年、ソフトバンクは2年連続の日本一は達成したが、リーグ優勝は逃した。「奪取」を合言葉に今季のキャンプが終わり、オープン戦がスタートした。序盤を終え、カギになる打線について、浜名氏が厳しい目でチェックした。まだ実戦はスタートしたばかりだが、早くも今季の活躍を予感させる選手を挙げた。

浜名氏 中村晃は今年はやると思う。毎年、打者はキャンプ中で今年の打撃フォームを完成させる。それが決まらないと焦るものだ。例年、中村晃もいろいろと試していた。昨年はバットを長く持ったり短くもったりしていたが、今年はキャンプスタートから一貫して長く持っている。ずっと見ているがキャンプから一貫しているのは初めて。グリップの位置を高くしたり、低くしたりして、高さを決めていたが、今年はほとんど動いていない。もう決めているようだ。松田宣もそうだが「今年はこれでいく」と決めている。右足を上げるなどのタイミングの取り方、間合いの取り方も早めに決めている。すべてに「迷い」がない。

中村晃は13年から3年連続で打率3割をマーク。14年は最多安打(176本)のタイトルを手にしながら、ここ3年連続で3割を逃している。「長打」を求めて本格的に筋力トレーニングに力を入れて昨年に臨んだ。しかし故障もあり、フォームが決まらず終わった。

浜名氏 今季に対して期するものもあると思う。オフに4年契約を結んだ。チーム内の自分の役割を自覚してきたと思う。打撃だけでなく、話しかけた時の受け答えも大きく変わった。精神的にも大きくなったと思う。それはプレーにも出るものだ。3割、20本は十分可能だと思う。

浜名氏は中村晃だけでなく、今宮も同じだと分析する。

浜名氏 今宮はスタンスを狭くして構え、タイミングの取り方や間合いがしっかりできている。オープン戦でもアウトの内容も昨年までと違う。内川、松田宣はベテランとして必死だし、柳田はケガはあったが、もう例年と変わりなくプレーできている。中村晃もこれからのオープン戦で昨年までとの違いが結果に表れると思う。