1発快投じゃ! 広島九里亜蓮投手(27)が12日、開幕ローテーション入りをかけて日本ハムとのオープン戦(マツダ)に登板する。

同日は中止となった10日DeNA戦(オーヴィジョンスタジアム下関)に先発予定だったジョンソンが先発。当初先発予定だった九里は中継ぎで登板する。残り1~2枠となった開幕ローテ入りには、内容と結果が求められる。

下関でのオープン戦中止の一報を聞いても、九里はマツダスタジアム横の室内練習場で淡々と調整を行った。当初は12日の日本ハムとのオープン戦で先発の予定だったが、この日の中止で先発はジョンソンに変更。登板日がいったん白紙となっても、次なるチャンスに向けて汗を流した。

「僕に立場はないので、言われたところで投げるだけ。どういう状況でもしっかり準備したい」

昨季8勝の九里だが、残る先発の1~2枠を岡田らと争う立場にある。2月21日の阪神との練習試合では先頭から連続四球の立ち上がりから2回1安打3四球2失点。悪いイメージを残した。前回2軍の教育リーグ・ソフトバンク戦で4回無失点も、開幕ローテ入りには追試が必要となった。

広島に戻ってきた佐々岡投手コーチは「1軍を相手にした投球を見てみたい」と12日の日本ハム戦で2番手で登板させることを明言した。先発入りへの判断材料はあくまでも1軍での結果と内容。開幕までの調整登板の場も少なくなっているだけに、“一発快投”が求められる。

広島の開幕ローテーションは、開幕カードで現在2軍調整中の新外国人ローレンスを先発させ、登板後に選手登録を抹消するプランもある。また、この日の雨天中止によって、開幕2戦目が濃厚だったジョンソンの登板日を開幕2カード目の初戦、4月2日中日戦に回すこともできる。佐々岡投手コーチは「(中止によるローテーション変更は)シーズン中にも起こり得ること」と冷静に受け止める。29日の開幕戦は大瀬良が決定的だが、内定しているジョンソン、野村、床田の登板順もまだ不確定要素が多い。まずはローテーションを組む首脳陣の先発構想に名前を刻むためにも、九里は12日の投球で答えを出すしかない。【前原淳】