ソフトバンク武田翔太投手(25)が開幕ローテ入りをかけ、ラストチャンスのマウンドに臨む。13日巨人戦(ヤフオクドーム)に登板予定。11日に本拠地で行われた投手練習に参加し、工藤監督から直接指導でアドバイスも受けた。首脳陣の期待に応える投球で自らの居場所を勝ち取る。

武田は実戦登板で精彩を欠いている。2月27日の練習試合、5日のオープン戦と2戦連続で西武打線に炎上した。実績のある右腕だが、倉野投手コーチは「今までのような結果を続けていたら、入れたくても入れられない」と厳しい表情だ。現状では千賀、ミランダ、東浜の開幕ローテ入りが確実で、大竹も有力だ。残り2枠をスアレス、中田、高橋礼と争っている。結果を見れば、武田は瀬戸際に立たされている。

この日は工藤監督もたまらず、キャッチボール中の武田に熱心に声をかけた。「ボールの走り、変化球は悪いわけではない。ちょっとした意識の違いで変わってくる。1年間やってもらわないと困る投手」ともどかしい心境を明かした。武田自身も、周囲の期待は感じている。「自分がやらないとだめだな、というのは分かっている。期待に応えられるよう考えている」。前回の登板以降も自身の投球を振り返り、改善の糸口を探し続けた。「力を抜いてやることかな。力投しすぎている感じ。ギャップを見せたい。いい感覚はあるので、それを試合で出すだけ」と静かに闘志を燃やした。

自主トレをともにする後輩、大竹の好投も刺激だ。「いいピッチングを続けているので負けないようにしたい。大竹のところ(自主トレ)に参加すると言われないように」。武田らしい笑顔でジョークを交え、好投を誓った。【山本大地】