楽天福井優也投手(31)が、新天地で開幕ローテ入りに前進した。

広島からトレード移籍後、オープン戦初先発で5回3安打2失点(自責0)。初回、先頭への四球から味方の失策も絡んで2点を失った。「終わったと思った。『オレ(再調整で)仙台行きだ』って」。初めて実戦でバッテリーを組んだ嶋に対しても「立ち上がりはリードもクソもなくて、大変だったと思う」と申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

それでも、2回以降は得意のフォークに加え、徐々に感覚を取り戻したカットボールを低めに集めて粘った。「僕は四球を出したり、よく分かんないボールを投げたりすることもあるけど、ダブルプレーだったり(で切り抜けて)、結果としてまとめたなと言われるのが持ち味」。そんな風に割り切れるのは、年を重ねただけでなく、環境の変化も影響しているのかもしれない。

「昔は自分も若かったし、人のことを(過剰に)ライバル視したり、もっとピリピリしていた」。投手に関して、自主性に任せられる部分も多いという楽天キャンプでは「自分は自分」と腰を据えて課題克服に取り組んだ。岸が食事に誘ってくれるなど、チームにとけ込むまで時間もかからなかった。「楽しいですよ」。笑顔は柔らかい。

平石監督も「先発候補の1人。やってもらわないといけない1人だと思っている」と期待を口にするように、開幕ローテに近づいた形だが「開幕ローテに入ったからといって、10勝できるわけじゃない。立ち上がりを修正して、もっとアピールしていきたい」。第2の野球人生を切り開く。【亀山泰宏】