正二塁手候補が、元気にグラウンドへ戻ってきた。右脇腹の肉離れで戦線離脱していた日本ハム渡辺諒内野手(23)が19日、イースタン・リーグのヤクルト戦(鎌ケ谷)で約1カ月ぶりに実戦復帰した。

5番二塁でスタメン出場し、2回の第1打席で遊撃への内野安打をマーク。直後に盗塁も試み、二塁守備では軽快な動きも披露した。「失敗したけど盗塁も走れてスライディングできたし、守備も(患部の)痛みもなくできた。あとは打撃だけですね」と復帰初戦を振り返った。

1軍復帰には、乗り越えなければいけないハードルがある。再発への不安を取り除くことだ。「今日もバットに当てに行ってしまった。まだ、怖さがある」という。スイングする際に再び患部に痛みが襲うことを恐れ、バットを振り切れていない。「普通のフリー打撃では痛みもなく打てるんですけど、試合ではまだ。気持ちの問題です」。実戦の打席を重ねることで、フルスイングへの怖さをなくすしかない。

5回終了後に交代すると、視察に訪れた栗山監督から「怖さはあると思うけど、それは直に飛ぶと思うから、それまで我慢して、無理はせず、やってくれ」と声をかけられた。開幕には間に合わないが、今は実戦勘を早く取り戻すことが肝要。「1軍で結果を残せる状態にすることが一番」という指揮官に応えるように、渡辺も「こっちでしっかり試合に出続けて、やっていきたい」。万全の状態で1軍へ戻る。【木下大輔】