日本ハム王柏融外野手(25)の出身地・台湾が、開幕を前に早くも熱狂している。札幌ドームでの全体練習が行われた27日、台湾の地元紙が取材に駆けつけた。

29日オリックスとの開幕戦(札幌ドーム)には、10社以上の台湾メディアが訪れる予定で、すでに翌日の一面記事で王柏融を取り上げることを決めている社もある。故郷の大きな期待を一身に受け、大王は日本での一歩を踏み出す。

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大王の新天地デビューが、熱気を帯びてきた。初めて日本で迎える開幕戦まであと1日。左翼の守備位置で王柏融が動くたびに、台湾紙「蘋果日報(アップルデーリー)」のカメラマンはシャッターをきった。練習後、地元報道陣に囲まれた王は「すごくワクワクしていますし、違う国で開幕を迎えることは興奮します」。故郷の熱気の後押しを受け、日本での挑戦をスタートさせる。

29日のオリックスとの開幕戦には、台湾から10社以上の報道陣が集結する予定だという。中でも「蘋果日報」では、異例の報道体制が決定。試合2日前のこの日の時点で、すでに新聞の一面で掲載する方針が固まったという。同紙の羅恵鈴記者は「台湾での人気は、今の野球選手でナンバーワンです」。開幕戦当日には、台湾のファンも大勢駆け付ける見込みで“大王フィーバー”が巻き起こりそうだ。

一方で、本人は冷静だ。「必要とされるところに来ている。期待もされているけど、『見せつける』というよりは自分の出来ることをやりたい」。オープン戦は下半身の張りで欠場することもあったが、日本人投手のフォームや球筋を確認できた。「まずはケガなくシーズンを通してやりたい。安定した成績を残せれば、必ず(チームの結果は)ついてくると思う」。力強い足取りで、晴れ舞台に立つ。【田中彩友美】