ソフトバンクが雨の長崎で、延長10回表無死での降雨コールドで引き分けに持ち込んだ。甲斐野が投球練習をしていたが、雨脚が強まり中断。13分後、そのまま試合終了となった。

8日に大黒柱の柳田悠岐外野手が左足裏肉離れで離脱。全治は3週間の予定で、この日がギータ抜きの初戦となった。2点を追う4回、「いない期間は何とか全員で頑張って」と話していた3番内川聖一内野手が二塁頭上をライナーで抜ける中前適時打を放った。6回には柳田を追い越すことを目標としている上林誠知外野手が1死二、三塁から右前へ一時勝ち越しの適時打を放った。開幕から高い数字を残し続ける柳田に対し「まだまだ(柳田さんの)時代は続きますね。すごい」と話し、故障を知った時は「ショックです」と衝撃を受けていた。

7回に日本ハムに追いつかれたが、雨で足場が悪い中、投手陣も踏ん張り9回まで同点で終えた。工藤監督は「負けないで終わるのは大きい。投手がよく粘ってくれた。(攻撃も)今まで通りにはいかない」と、この日は犠打を2度使うなど、柳田抜きで作戦面の変更も出てきた。

長崎は球団4試合目。12年以来7年ぶり、主催は09年以来10年ぶりの開催となった。九州移転30周年を記念した「WE=KYUSHUデー」は、1万7742人のファンで盛り上がった。この日の告知のために地元では丸山公園内の坂本龍馬像も同じユニホームと帽子をかぶった。龍馬像が何かを着用するのは初だ。

長崎のファンに負けない姿を見せた選手たちはこの日深夜にバスで福岡へ戻った。柳田が帰って来るまで、首位の座を渡すことはできない。【石橋隆雄】