ソフトバンクが苦手ロッテに敵地で今季初めて勝った。延長10回、先頭グラシアルが二塁打で出ると、続くデスパイネがこの日2発目で、自己最多タイ月間10本目となる13号2ランで勝ち越し。松田宣も7年連続の2桁となる10号ソロで続きダメ押しした。最後は力でねじ伏せ、今季のロッテ戦成績を3勝7敗とした。工藤監督も「やっと勝てました」と笑みをこぼした。

中5日で先発したエース千賀が熱投で勝利を呼んだ。5回2死まで完全投球。3点リードの7回は先頭からの3連打と内野ゴロの間に2点を失ったが、後続を断って耐えた。5回途中から足がつっていた。8回2死で、一ゴロのベースカバーに入った際には痛みにもだえた。「最後に試練のファーストゴロが来てしまった」と苦笑い。123球の気合の投球だった。

だが1点リードの9回に抑えの森が清田にソロを浴び白星は消えた。長男の誕生日に志願のマウンドだっただけに「いつもはそんなに思うことはないけど、今日だけは、マウンドでも気持ちが違った」。こだわりはあったが、試合には勝った。「チームが勝ったのが一番。森さんにはしっかり言っておきます」とエースの役目を果たし、笑い飛ばした。

チーム一丸の勝利に指揮官は「ロッテにも負け越しているし、今日こそはという思いが出ていた。チームにとって大きい勝利でした」と選手をたたえた。連敗も2でストップ。千葉の夜に価値ある1勝を手にした。【山本大地】