日本ハム清宮幸太郎内野手が、20歳の誕生日に今季初安打&初適時打を放った。25日の西武11回戦(メットライフドーム)に「7番DH」でフル出場。5点を追う4回2死満塁で、粘った12球目を右翼線に弾き返す2点二塁打で一時、同点に追いつく口火を切った。西武に傾いた流れを引き戻したが、チームはその後2点を失い、3カード連続負け越しが決定。借金は今季ワーストの3となった。

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悔しさに染まる、20歳最初の試合になった。清宮が力負けを痛感した。2点を追う8回2死二、三塁。狙い通りの直球を強振も、三邪飛に終わった。「最後の場面で、もっと打てるようにならなきゃと思いました」。今季初昇格から一夜明けた25日。「いろんな人からメッセージとか、きました」という誕生日の一戦を、観客席では両親が見守っていた。祝福される喜びを胸に臨んだが、白星はつかめなかった。

勝負強さも見せた。0-5とワンサイドになりかけていた4回だ。2死満塁から、多和田の直球攻めに食らいついた。12球目、外角高めの直球144キロを痛烈に右翼線に弾き返す2点二塁打。今季初安打は初適時打となり、チームを勢いづけた。「(1本出たのは)すごい良かったかな。自分のスイングは出来たので、しっかり打ちにいけた」。安堵(あんど)の一打を皮切りに、チームは一挙5得点で、試合を振り出しに戻した。

昨年19歳の誕生日もメットライフドームでの西武戦だった。調子が下降気味だったが、12打席ぶりに安打を放つなど4打数2安打1打点。今季は右手有鉤(ゆうこう)骨骨折の出遅れを乗り越え、また1つ、大人の階段を上った。あどけなさの残る表情で「(20歳といえば)お酒ですかね。(ビールかけは)楽しそうなので、早くやりたい」と、サラリと優勝への思いを口にし、両親との食事会に向かった。

チームは3カード連続の負け越しで今季ワーストの借金3と、上位浮上へ試練が続く。栗山監督は、清宮へ願った。「誕生日の最後に、あれだけ悔しい思いをした。普通の人と、同じ感じ方であってほしくない」。もちろん、清宮も分かっている。「まだまだですね」。発奮材料を、さらなる進化の糧にする。【田中彩友美】