ヤクルトが連敗を16で止めた。初回2死満塁から大引啓次内野手がDeNA浜口から走者一掃の3点適時打で先制。「初回で青木さんが出塁した時点で、チャンスで打席が回ってくると思っていました。その場面で打席が回ってきたので、絶対打ってやろうという気持ちで打席に立ちました」とベテランの一振りがチームを勢いづけた。

2回には1番に抜てきされた塩見泰隆外野手の適時三塁打、1点を返された直後の3回にはバレンティンの13号ソロで流れを渡さなかった。

投げては先発の原樹理投手が6回2/3を投げて5安打1失点の好投。16連敗中、先発陣が6イニング以上を投げたのは5試合のみと試合を作れなかったが、この日は4年目右腕がきっちりと流れを作った。

5月12日以来、実に3週間ぶりの白星。左翼スタンドに集まったヤクルトファンは勝利の傘を開いて、喜びの「東京音頭」を響かせた。

▽ヤクルト小川監督のコメント「とりあえず勝ってホッとした。(原は)中4日の強行で行ってもらって、本当にいいピッチングをして結果が出たことが大きい。初回に村上が三振して、嫌な雰囲気になりそうになったところを大引が本当にここというところで打ってくれた。(連敗中は)どんな3週間と言われると、とにかく何とか連敗を止めなきゃという思いでした」

▽ヤクルト大引のコメント「お待たせしました。勝利のハイタッチを忘れてましたね。気持ちいいですね。負けが続いていると空元気になるけど、みんな声出して戦っていました。村上打てよと思ってた(笑い)。打たないと暗くなる。なんとか打とうと思って、最高のヒット。狙ってたチェンジアップを理想通りのヒットになった。今年一番の会心の当たり。今日来てくれてるファンの声援が、ひと押ししてくれた。連敗を止めたい気持ちと、ヒーローインタビューを受けようという気持ちでした。今日は行けそうな感じがしていた。去年の交流戦の覇者として、堂々と戦いたい」

▽ヤクルト青木のコメント「すごくうれしいです。すごく。久しぶりですね。これだけの連敗は初めて。いい勉強、いい経験になった。でも1回でいいや(笑い)。1つかみ合わないとこういうことになりうる。野球ってすんなり勝つ時もあれば、勝てない時もある。あきらめそうになる状況もあったけど、みんな頑張った。この1勝は遠かったけど、その中でずっとプレーをして、勝つことは難しいと感じたと思う。これを糧にしてほしいと思うし、これからに生かしてほしい。自分も生かしたい」

▽ヤクルト山田哲のコメント「疲れも負けている時はきたけど、勝てば吹き飛びますね。今日みたいな試合を続けていかないといけない。僕らのチームは我慢強く、粘り強く、1点でも多く点を取って、1点でも少なく守って勝つことができるチームだと思う。それを交流戦でも続けていきたい」