不運が重なり、阪神西勇輝投手(28)が7回3失点(自責0)で5敗目を喫した。「味方のミスをカバーすることができず、悔しい投球となりました。梅野も懸命にリードしてくれましたが、勝ち越された状況でマウンドを降りてしまい悔しいです」。雨が降りしきる甲子園でガックリと肩を落とした。

Eランプがともる度に、甲子園はため息に包まれた。1度目は4回。3番近藤の二塁打をさばいた糸井の、セカンド糸原への送球が雨の影響で悪送球に。三進した走者を犠飛でかえされ、先制を許した。2度目は6回1死一塁。中田の打席で、初球は一塁ファウルフライに打ち取ったかと思われた。だが、マルテが落球。その後、中田には適時二塁打を浴びた。

極め付きは7回。降雨中断を挟んだ直後、ショート北條が難しい打球を逆シングルで好捕。だが、一塁送球がツーバウンドしてしまい、二進を許した。その後は大田の犠飛で3点目を献上。矢野監督は「グラウンド状況が悪い。それが全部エラーという形になって。それでも西は粘って、そういう姿勢をずっと見せてくれた。西には申し訳ない形になった」とかばった。

西は5月10日の中日戦を最後に約1カ月、勝ち星がない。全て5回以上で3点以内に抑え、先発として試合は作っている。この日の敗戦でチームは3位転落。次回こそはカード頭を任される右腕を救いたい。【真柴健】