聖地凱旋(がいせん)だ。日本ハム清宮幸太郎内野手(20)がプロ2年目で、初の甲子園で躍動した。7日、「日本生命セ・パ交流戦」の阪神1回戦に5番左翼でスタメン出場。4回1死三塁で、2試合連続打点となる先制の中犠飛。6回には左前打で“甲子園初安打”をマークした。2打数1安打1打点で途中交代も、2年ぶり聖地で存在感を放った。この日、ドラフト1位の吉田輝星投手(18)も1軍に初合流した。

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清宮が、甲子園に帰ってきた。1回2死一、二塁。プロ2年目で、聖地初打席に立った。西の初球、外角低めのチェンジアップ133キロをフルスイング。恐れることなく2球目もマン振りした。4球目を詰まらせ二ゴロも、球児さながらに一塁へ全力疾走。「小さい頃から来ていた甲子園でプレーするのは、やっぱり楽しいです。打っても守っていても楽しいです」。雨上がり、黒土のグラウンドを駆けた。

高揚感に包まれ、球場入りした。札幌から空路で約2時間の移動後、ナイターのハード日程。疲れを見せることなく、伊丹空港から移動バスの車窓に流れる景色に没頭した。「見えるかな? って」。甲子園を見つけようと、前のめりになった。早実3年のセンバツ以来で「懐かしいです。早く甲子園で、やりたいと思っていた」と心躍らせた。

うれしいゲストに、力をもらった。早実野球部の2学年上の先輩2人が、東京から応援に駆け付けた。清宮が1年の時、初めての甲子園で4強入りへと導いてくれた存在。練習後には甲子園をバックに記念撮影。思い出話に花を咲かせた。当時から成長した姿を見せたのが4回1死三塁の第2打席。初球134キロを、やや詰まらせたが先制の中犠飛とした。2試合連続打点で流れを引き寄せた。

6回には“甲子園初安打”を放ち、聖地を堪能した。今季初の左翼に就き「すごく全体も見渡せたので良かった。いい球場と、あらためて思った」と、かみしめた。2打数1安打1打点で途中交代も、2年ぶりの聖地の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。「みんなが1度は目指した場所。存在感は、変わらない」。原点となった場所を、あらためて胸に留めた。【田中彩友美】