超攻撃型オーダーで王者撃破だ! 阪神が11日から「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク3連戦(ヤフオクドーム)に臨む。指名打者制となる敵地で大腸がんから復活した原口文仁捕手(27)がDHとして復帰後初スタメンのプランも浮上。右ふくらはぎ筋挫傷から1軍復帰する福留孝介外野手(42)も加わり、攻撃的な打線を組む可能性が出てきた。

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男泣きの劇的勝利から一夜明け、矢野監督は次戦への戦いに思いを巡らせた。指揮官が頭を悩ませるポイントが指名打者の活用法だ。「いい悩みじゃない? 俺にとっても。(福留)孝介の体調も(糸井)嘉男も、みんな万全じゃない中でやってくれているんで、そこは状況を見ながら、DHというのが1週間続く。チームにとって何が一番いいのかを判断する」。糸井か、福留か、それとも…。

選択肢の1つが原口を起用するプランだ。大腸がんのリハビリを経て、4日ロッテ戦で1軍復帰。前日9日の日本ハム戦では代打起用の9回にサヨナラ打を放った。指揮官を泣かせるほどの劇的ストーリーを紡いだヒーロー。持ってる男が復帰後初スタメンで4打席立てば…と期待も高まる。糸井、大山、福留のクリーンアップに、原口、マルテ、梅野と1発のある打者が続く超攻撃型オーダーも可能だ。

虎打線に右の原口が加わることは大きな意味を持つ。ソフトバンクの先発予想はミランダ、和田、大竹の左投手が続く。今季チームは全61試合中、先発左腕と19試合で対戦。相手投手から見て8勝3敗、防御率2・15と極端に抑え込まれている。昨季は交流戦開幕カードで3連敗を食らい転落のきっかけとなったソフトバンク戦。12年以来、7年ぶりの同カード勝ち越しを決めるためにも、原口の勝負強い打力は必要だ。

夕方の新神戸駅に姿を見せた原口は気合をみなぎらせた。疲労の蓄積を問われ「疲れとかは別に感じていません!」と首を横に振ると、博多での激戦に向けて「スタメンだろうが、代打だろうが、自分の仕事をするために準備していく。チーム一丸で勝てるように準備したい」。頼りになる福留が復帰し、不屈の男が先発オーダーに加われば…。矢野阪神の勢いはさらに加速する。【桝井聡】