広島が延長12回執念ドローに持ち込んだ。1点を追う7回にアレハンドロ・メヒア内野手(26)が逆転2号2ラン。9回裏に追いつかれたが、その後はリリーフ陣が踏ん張り、4時間超のゲームを引き分けた。首位巨人とのゲーム差は3に広がったが、2日からはマツダスタジアムでヤクルトを迎え、出直しを期す。

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最後は7番手遠藤がロペスを見逃し三振に仕留めた。延長12回、4時間2分の総力ドロー。連敗ストップはならなかったが、DeNAの勝利も許さなかった。

重苦しいムードを、メヒアのバットが切り裂いた。1点を追う7回無死一塁。DeNA2番手藤岡の1ストライクからの外角スライダーを、逆らわずに右翼スタンドに運んだ。引っ張りたい気持ちを抑え、ボールを引きつけて強くたたいた。「うまく打つことができました。いいホームランになったね」と話した。

必死のアピール弾だ。今月25日に1軍初昇格したが、外国人枠の関係でどこまで残れるかは不透明。現在出場選手登録されているのは、投手は抑えのフランスアと、好投を続けるレグナルト。野手はバティスタとメヒア。次カード・ヤクルト戦で新外国人ローレンスが先発する可能性が浮上しており、そうなると野手2人のうち1人が出場選手登録を抹消される可能性が高い。

28日DeNA戦では今季1号を含む猛打賞をマークした。前日29日も右前打で爪跡を残した。どれだけ打っても、打ちすぎるということはない。この日も絶対に結果を出したかった。通算打率は3割8分5厘。死にものぐるいで1打席1打席に向かっている。

2020年東京五輪のドミニカ共和国代表入りを、秘かに思い描く。「米国にいい選手がたくさんいる。自分が選ばれるとは思っていない。でも、必要とされるなら、出たい」。代表入りについては、ドミニカ共和国サイド、有力選手を多くかかえるMLBサイドの態度に左右されるが、五輪期間中にプロ野球を中断する日本球界から選ばれる可能性はある。野球のメイン会場となる横浜スタジアムで会心の1発となった。

1点リードの9回2死三塁でフランスアが佐野に適時打を浴びて延長戦に突入。その後は一岡、遠藤らが踏ん張り、2-2で引き分けに持ち込んだ。負けなかったことを前向きに受け止め、ホームでのヤクルト戦で出直す。