今年初開催の12球団オーナー会議は、4球団のトップが欠席した。ヤクルト、ソフトバンク、ロッテが代行、西武は代理人を立てた。相変わらずのふぞろいぶりだ。

20年東京五輪をもって「野球・ソフトボール」が競技種目から除外される。WBC大会が継続される保証もない。今後も若者の野球離れに拍車がかかりかねない深刻な状況にある。

議長役の楽天三木谷オーナーは「大変重要な問題という認識でいる」と受け止めた。しかし、会議で論議されたビジネス拡大が、企業間による利益追求の“道具”と映ってはファンに見透かされる。

プロ野球は協約で「文化的公共財」とうたわれている。「過去の歴史を十分勘案しながら」と気遣った三木谷オーナーと経営陣はその理念を念頭に議論を伯仲させてほしい。

五輪からの消滅に斎藤コミッショナーは「プロだけの問題でないので難しい」という。それならプロ・アマ関係のさらなる見直しが問われる。

また球団拡張、MLBに対抗するアジア戦略も視野に入れていい。スポーツの多様化で置き去りにされないために、野球界に成長への将来ビジョンが求められている。【編集委員・寺尾博和】