4番の大台アーチで2カ月半ぶりの貯金生活だ。ロッテのブランドン・レアード内野手(31)が、ソフトバンク戦の8回に1試合2発となる31号決勝2ランを放った。シーズン30本塁打到達は、球団としては05年の李承■(イ・スンヨプ)以来14年ぶり。チームは4連勝で5月26日以来の貯金1となり、4位タイに浮上した。

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レアードがスタンド上段に届く大きな決勝アーチをかけた。同点に追いつかれた直後の8回1死一塁、ソフトバンク甲斐野の抜けたスライダーを左翼席後方へかっ飛ばした。「最高の場面で最高の形で結果が出たよ」。ほえながらダイヤモンドを1周し、恒例のすしパフォーマンス。いつも“客役”の三木が死球を受けてベンチにいなかったため、自分でぺろり。「おいしーい」とほおを下げた。

停滞期を抜けた。11試合、本塁打から遠ざかっていた。4回に30号2ラン。来日5年で2年ぶり4度目、球団では実に14年ぶりとなる大台に乗せた。「ここのところ打てていなかったので、幕張スシも閉店してしまうんじゃないかと心配だった」と安堵(あんど)。打てない間も新助っ人マーティンと日本の投手について話し合い、支えた。そのマーティンは先制ソロ。初のアベック弾を実現した。

チームは4連勝で楽天に並ぶ4位に浮上し、約2カ月半ぶりの貯金1。10連戦の9試合目と疲労もたまる中、大胆な1発攻勢で投手陣を助けた。井口監督は「4番が打ってくれるとチームが上にいける」と納得の表情。8日に10連戦を白星で締めれば、13年以来のソフトバンク戦勝ち越しが決まる。【鎌田良美】

▼レアードが日本ハム時代の17年(32本)以来、2年ぶり4度目のシーズン30本塁打に到達。ロッテの30本塁打以上は05年李承■(30本)以来14年ぶり。30本塁打の打者が出ないブランクは球団史上最長だった。これでパ本塁打争いトップの西武山川に1本差。ロッテでは86年落合を最後に遠ざかる本塁打王を狙える。

※■は火ヘンに華