大商大・小野寺暖外野手(4年=京都翔英)が連勝ストップの危機を救う1発を放った。

1-3の8回、左翼席に同点2ラン。2日前にプロ志望届の提出を決断した主砲が、大きなアピールに成功した。延長11回タイブレークの末に大院大を振り切り、リーグ連勝記録を23に伸ばした。

内角高めの明らかなボール球。小野寺が思いきり打ち上げた打球は左翼中段まで飛んでいった。相手エースの打田(うった)雷樹投手(3年=日本航空石川)の代わりばな。「何度も対決してきて、僕との対戦を楽しみと言ってくれている。真っ向勝負してくると思った」と直球を狙い打った力勝負を振り返った。

前日27日にプロ志望届を提出した。迷いに迷ったが「みんなが見ている中で(指名が)かからなかったらキツいけど、親とも話して、ここまで来たのだから無理してでも出した方が納得がいく、となりました。ここでプロに行けなければ、一生行けないと思う」と大きな決断だった。

昨春、今春とMVPに輝き、リーグ戦5本塁打の長打力も誰もが認める。特別な気持ちで臨んだ一戦。「プロが使う球場で1発を打てばアピールになると思った。1年生の伊原が完璧に抑えてくれていたのに、先輩の僕らが援護できなかった。何としても打とうと思った。負けなしのまま日本一が目標です」と表情を引き締めた。