リーグ連覇を狙う東海大海洋が、優勝戦線に踏みとどまった。先発・翠尾(すいお)透投手(2年)の公式戦初完封で、前週まで開幕10連勝していた日大国際関係に連勝。

この日、常葉大浜松を下した静岡産大と、敗れた日大国際関係が10勝2敗で首位に並んだ。9勝3敗の東海大海洋が後を追う展開となり、3校による優勝争いが激しさを増してきた。

   ◇   ◇   ◇

東海大海洋の期待の2年生右腕が、復活を印象づける投球を見せた。翠尾は試合序盤、直球とカットボールを軸とした投球で打者を打ち取った。打線の援護も受け、中盤からは決め球のスライダーを交えて相手を寄せ付けない。5回には、3者連続三振を奪って勢いに乗った。「これまでは、カウントを悪くして踏ん張れなかったが、今日はストライクゾーンで勝負できた」と振り返った。

今春にリーグ戦初登板。大車輪の活躍で6勝1敗の成績を残し、新人王を獲得した。だが、その後は原因不明の右肩の不調に悩まされ、思うような投球練習ができなかった。迎えた今秋のリーグ戦でも調子が上がらず、前週までにわずか3試合の登板。11イニングで8失点と苦しんだ。しかし、調整のためにベンチを外れた期間で右肩の安静を保ち、不安を解消。負ければ優勝の可能性が消える一戦で躍動し、チームを救ってみせた。

今春は、全日本大学選手権出場を懸けた東海大会で1試合に登板。7回1/3を1失点と好投したが、チームは敗れて全国切符を逃した。だからこそ「もう1度上の舞台で投げたい。この1週間でやるべきことをやって、しっかり準備したい」と話した。12~13日の最終週は、常葉大浜松と対戦。自力優勝はできないが、望みを捨てるつもりはない。【河合萌彦】

 

○…日大国際関係はわずか3安打に終わり、反撃の糸口もつかめなかった。試合序盤、先発の鈴木礼央投手(1年)が、2回途中までに3失点で降板。救援投手が踏ん張るも、打線が相手投手を攻略できなかった。12~13日の最終週は、2季ぶりの優勝を懸けて同率首位の静岡産大と対戦。石川和樹主将(4年)は「今日は、狙い球を絞れなかったり、守備のミスが響いた。この反省点をしっかりと詰めて次に臨みたい」と力を込めた。