慶大が3季ぶりの優勝へ前進した。互いに全勝で迎えた法大とのカードに2連勝。開幕から負けなし6連勝で、勝ち点3の首位に立った。今秋ドラフト候補で主将の郡司裕也捕手(4年=仙台育英)が先制打を含む2安打2打点。リードでも6投手を引っ張り、1失点に抑えた。

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郡司の粘り勝ちだ。3回2死一、三塁。法大・高田孝に3球で追い込まれたが「厳しいところに来たらファウルで逃げて、甘い球を待ってました」。7球ファウルの13球目、高くきた144キロを中前に打ち返す先制打で神宮を沸かせた。1点勝ち越した後の9回は2死満塁。再びファウルで粘ったが「今度は熱くなりすぎないように。落ち着けと、自分に言い聞かせました」。三浦の速球をかわしながら、9球目で押し出し四球。冷静なアプローチで、貴重な追加点を奪った。

法大との全勝対決を「天王山」と捉えていた。試合がない空き週を挟み、約2週間、準備した成果を出した。台風19号の影響で中止が続いたため、次は中3日で今春王者の明大と戦う。

その前に大事な日がくる。17日のドラフト会議だ。もっとも「個人的な思いはありますけど、チームとして優勝したい」と、リーグ戦の方に意識が向く。プロ志望届を出したチームメートたちと一緒にドラフト中継を見る予定だが「(明大)森下は1位指名で勢いに乗ってくる。僕は1位じゃないですから。(中継より)明治のデータを見ていたい」と言った。冗談っぽく話したが、それぐらい大学ラストシーズンにかけている。【古川真弥】

▽法大・青木久典監督(6連勝後の2連敗で勝ち点を落とし)「(同点にした)7回に一気にひっくり返さないと。攻め切れないですね。でも勝負の世界、現実を受け止めるしかない」