オリックスが21年にも3軍制を敷くことが27日、分かった。今回のドラフト会議で育成選手を8人指名。来季は2軍本拠地のある大阪・舞洲で独立リーグや社会人チームを相手に「育成試合」を増やす方針で、実質的に3軍構想をスタートする。来秋ドラフトでも育成選手を大量指名する予定で、選手育成に力を注ぎ、チーム再建に努める。

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オリックスが低迷打開へ、育成によるチーム強化にかじを切る。早ければ21年から3軍制を敷くことが判明。育成選手を含む若手選手の実戦機会を増やすことが目的であり、球団内の組織改編に着手する方向だ。

今回のドラフト会議で育成選手を8人指名した。今季は20試合程度だった「育成試合」を来季は大幅に増やす予定で、実質的に3軍構想をスタートすることになる。球団関係者は「練習も大事だが、試合数を増やさないと選手たちは成長していかない。2軍が遠征に行っている時に舞洲で試合ができるように、アマとの練習試合を組んだり、工夫している」と説明。独立リーグや大学・社会人チームなどを相手に実戦の場を作る。

オリックスは96年を最後にリーグ優勝から遠ざかり、5年連続Bクラスと低迷している。近年は外国人やFA補強を中心に強化してきたが、育成から主力選手を育てるシステムを確立していく。球団幹部は「育成も含めて選手みんなが戦力。根本は補強ではなくて若手育成。そこから優勝争いができるチームを作っていきたい」と力を込める。

球団は来秋ドラフトでも育成選手を大量指名する見込み。「育成8選手が入ってくるので、試合ができる。育成選手にも活躍の機会を与えて、より競争心を持ってもらいたい。そうしないと選手も伸びていかない」と球団関係者は言う。17年には大阪・舞洲に総工費約30億円をかけて、2軍施設を整備。ハードとソフトの両面で育成強化の環境を用意し、チーム再建に全力を尽くす。

◆3軍制 巨人が90年に球界で初めて3軍を設け、3軍監督に木戸美摸氏が就任。選手育成や故障者のリハビリを目的に2年続けた。西武は92年だけ広野功3軍監督が就任している。育成ドラフトが始まった05年以降、3軍の呼称を使わなくても2軍の一部を実質3軍として活動するチームが増えてきた。来季、3軍の呼称を使うのは巨人、広島、西武、ソフトバンクの4球団。巨人(井上真二監督)ソフトバンク(藤本博史監督)には3軍監督のポストがある。