阪神藤川球児投手(39)が10日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約交渉に臨み、6000万円増の1年契約2億円でサインした。

今季は56試合に登板して4勝1敗16セーブ、防御率1・77だった。「自分のなかでもリリーフの成功率がキャリアのなかで一番、良かった。(守護神に)返り咲いたというよりは、肘もトミー・ジョン手術をしてゼロからの高知での独立リーグからのスタートだった。そういう意味で、自分が成長できているか、1つの新しい野球選手の道をいま歩んでいるわけですけど、そこに関しては自分との戦いには1つ勝てた気がします」と話した。

開幕直後に不振で1度、2軍調整したあと、4月下旬に再昇格。その後は救援陣の柱として大車輪の働きを見せた。特に7月下旬、クローザーに配置転換されると圧倒的な投球でセーブを重ねた。矢野監督は11月下旬に「球児でいきたいと思っているよ、抑えは。そこを外す理由もないし、経験もある。球児に任せたい」と全幅の信頼を寄せる。藤川もこの日「来季どうしていくか、もう1年やろうかというところで、さらに来年勝つために、矢野監督には、ものすごくいい空気で野球をさせていただけている。現役も一緒にやったし、どうしても男にしたい気持ちがありました。続けようかということ」と来季への思いを明かした。

日米通算243セーブをマークし、あと7個で名球会入りの条件を満たす。藤川は「自分にとっては、通り過ぎていかなきゃいけない。普通に自分がやっているなかで、気づけばそこに来ていたというふうになると思っている。その瞬間というのは、22年かな、プロ野球に入って。携わってくれた方とか、自分の球を見て野球を始めてくれた子とかに対しての、その応援のおかげでいまがあるという、恩返しの日に、その日だけはなればいい。達成しなければいけない」と決意も新た。来年7月に不惑を迎えるが、来季もマウンドで仁王立ちする。(金額は推定)