阪神西勇輝投手(29)は4年契約の2年目となる来季年俸を現状維持の2億円で更改し、プロ入り後初の単独自主トレを行うと明かした。オリックスからフリーエージェント(FA)権を行使して加入した今季はチーム唯一の2桁となる10勝。イニング数も自己最多の172回1/3に伸ばし、昨季の最下位から3位浮上に貢献した。

交渉では球団から「本当に来てくれてよかった」と言われたといい、「重い言葉でした」と感謝して受け止めた。来季に向けて「180イニング。そこを超えていきたいなと思っています」と高らかに誓った。

そのため今オフは初のソロ活動を決めた。4年連続で巨人菅野らと合同で行ってきた自主トレについて「今年は1人でやります。11年目で初めて1人。やりたいこともありましたし、1回1人でやってみようかなと思いました」と説明。場所は同じハワイでも、今年はじっくり自分と向き合う。

内容もがらりと変える。ダッシュ系のメニューを増やすなどよりハードなトレーニングを行う。目的は瞬発力が高まる速筋を鍛えること。「全然違うトレーニングですね。30(歳)中盤になると、なかなかそういうトレーニングをしづらい、ということをよく先輩から聞いたので。30手前なので、モデルチェンジじゃないですけど」。

挑戦をいとわないのも「180イニング」という明確な目標があるからだ。現在、通算イニング数は1391回2/3で、順調なら今季中に1500回に到達する。長くプロで、長いイニングを投げるため。「だから常に改善していかないと。めちゃめちゃ難しいと思うので、そこをクリアしたいなというのはあります」。西勇がまた進化する。【磯綾乃】(金額は推定)