阪神島本浩也投手が球団史に残る快挙を連発した。今シーズンチーム最多の63試合に登板した。入団ドラフトは10年の育成2位。育成ドラフト入団投手によるチーム年間最多登板はプロ野球4人目、5度目で、阪神では初の出来事だった。17年は1軍戦登板がなく、18年はわずか1試合。雌伏のときを経た左腕が、大輪の花を咲かせた。

内容が伴っていたからこそ、登板機会も増えた。63試合を投げ、防御率1・67という好成績だ。阪神で年間60試合以上に救援して防御率2点未満は12人目、15度目。生え抜きでは藤川、久保田、福原に次ぎ7年ぶり4人目、7度目だ。左腕に限ると生え抜き初となった。

シーズン後半戦に入ると、輝きはさらに増した。8月1日中日戦から9月30日中日戦まで、21試合連続無失点で閉幕した。自責点がついたのは、6月29日中日戦が最後。このため7、8、9月の3カ月31試合での防御率は0・00を誇った。6月終了時点で3・23だった防御率は、後半の踏ん張りで大きく向上したのだった。

15年4月2日ヤクルト戦でのプロ初マウンドから105試合に登板して、いまだ黒星がない。デビュー戦からの連続試合無敗記録は、プロ野球7位にランクイン。球団最長は桟原の116試合で、射程に収めている。来年4月にも球団記録を打ち立てる。【記録室=高野勲】