ロッテのドラフト1位、大船渡・佐々木朗希投手(18)がいきなり“おかわり”した。8日に入寮し、9日はロッテ浦和球場で自主練習。他の新人たちとキャッチボールなどで体を動かし練習終了…と思いきや、志願して1人でポール間走を追加。入寮時に口にした「思う存分野球ができる楽しみ」を、プロ野球人生最初の朝から体現した。

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物足りなかったようだ。佐々木朗は一度は迎えの車の助手席に座ったが、スタッフに「やっぱり走りたいです」と希望し、降りた。そのままグラウンドへ向かい、大きなストライドで外野ポール間を駆けた。

まだ自主練習で、球団から決められたメニューはない。ランニング、キャッチボール、ノックまで他の新人たちと一緒にこなした。その後の約1時間20分は個人の鍛錬。午前8時に朝食をとり、満足のいくまで動き、午後0時58分にようやく寮へ戻っていった。

キャッチボールに至っては、約24分間で103球。距離は50メートルまで伸びた。ケガ防止で投球が制限された高校時代を思えば、異例の早さで仕上げている。関係者には「暖かいです」と話した。寒い岩手で年末年始も動き続けてきた成果が、さっそく表れている。

ブルペンでは、昨季8勝を挙げた3年先輩の右腕・種市が半袖で130キロ前後の球を投げ込んでいた。手を前で組み「すごいな…」とつぶやきながら、その球威に見とれていた。それでも焦るわけにはいかない。はやる気持ちを抑えるのも、ルーキー佐々木朗にいま求められる大事な仕事だ。【金子真仁】