殿堂アーチストを超えてゆけ! 阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18=履正社)が15日、平田2軍監督からスペシャル指令を受けた。

兵庫・鳴尾浜で行われている新人合同自主トレを同2軍監督が視察。室内練習場で見た井上のティー打撃に目を奪われた。「見ててほれぼれするね。打球の音が違う。スイングもきれいで、癖みたいなものも全くない」。前日14日に野球殿堂入りした田淵幸一氏(73=野球評論家)と重ね合わせた。「田淵さんの魅力を受け継いでほしいね。アーチストである田淵さんを目標に、抜くような選手になってほしい」。田淵氏は滞空時間の長い本塁打が代名詞。歴代11位の474本塁打を超えろ! 期待の大きさはレジェンド級だった。

井上自身も意欲は十分だった。「高校時代から芯に当たれば、(打球の)滞空時間が長い。ギリギリのホームランというのがあまりなかった。バッティングで目立ちたい」。高校通算49発のスラッガーは、自慢の打球でファンを魅了する決意だ。そのためにイメージ作りに余念がない。広島鈴木の打撃映像を動画で確認。「身長など体格もほぼ同じだと思う。そこはまねしてやっていきたい」。鈴木が行うティー打撃の練習法を取り入れている。

さらにメジャー屈指の強打者ヤンキース・ジャッジも研究。「手足の長い選手。手首の使い方など、似ている部分はある」。用具にもこだわり、今回の新人合同自主トレではグリップエンドに付けるバットリングを導入。高校の先輩ロッテ安田が使用していたものを試用し、入寮後に取り寄せた。インサイドアウトのスイングを意識付けする。「1年目なので自分がやってみたいとか使ってみたいというものは、意欲や自分の考えも持ちながらやっていきたい」。飽くなき探求心で、最強アーチストを目指す。【奥田隼人】