赤ヘル野球の申し子!? 広島の新外国人3選手が27日、マツダスタジアム内で入団会見を行った。

D・J・ジョンソン投手(30=ロッキーズ)、テイラー・スコット投手(27=オリオールズ)とともに会見に臨んだホセ・ピレラ外野手(30=フィリーズ)は伝統的な広島野球のプレースタイルを持つ助っ人だった。走攻守だけでなく、メンタリティーも広島にぴったり。2年ぶり優勝に欠かせない1ピースが加わった。

   ◇   ◇   ◇

まさに広島の伝統的プレースタイルにぴったりな外国人選手だ。背番号10が与えられたピレラは、堅守とアグレッシブな走塁を持ち味とし、打撃は状況に応じた器用さと勤勉さを併せ持つ。日本人の若手選手さえ音を上げる猛練習も歓迎する余裕すらある。広島が掲げる野球とプレースタイルが重なるピレラに、Vの使者としての期待がかかる。

首脳陣は手薄な三塁のポジションでの適性を探ろうとしている。最近5年で守った経験はほとんどないものの、守備力には自信がある。「機会を与えてもらえたら自信もありますし、信頼してもらって大丈夫」。投手を中心とした守りを重視する佐々岡新監督の要望にも応えるつもりだ。

打撃は中距離砲タイプ。昨年3Aでは主に中軸を任されるも、本人に打順のこだわりはない。「状況に応じて自分の力を発揮するのみ。(実戦の)状況をイメージして打撃練習に取り組んでいます」。そんな献身性こそ、まさに朝山打撃コーチが求める「生きて死ねるか」の精神である。

広島野球の代名詞でもある機動力も、ピレラの武器でもある。「自分の強みで、やっていること。野球で次の塁を狙うことは当たり前のことだし、常に考えていかないといけない」。盗塁も米大リーグのマイナーでは通算126個を記録する。米国ではスペイン語で「黒鷲」を意味する「Aguila Negra(アギラ・ネグラ)」の異名も取っていたほどだ。

2月1日からは春季キャンプが始まる。広島は12球団の中でも伝統的に練習量が多い。その点もピレラは覚悟している。「このリーグでプレーすると決まってここにいる以上、2月1日から全力でプレーするつもり。状態としては200%でやる」。練習から手を抜くつもりはない。走攻守、そしてメンタリティー。そのすべてに赤ヘルイズムを感じさせる。【前原淳】

◆ホセ・ピレラ 1989年11月21日生まれ、ベネズエラ出身。14年にヤンキースでメジャーデビュー。パドレスをへて、昨季途中にフィリーズ移籍。メジャー通算302試合で打率2割5分7厘、17本塁打、82打点をマーク。本職は外野ながら一、二塁も守れる。広島では三塁の適正もテストされる見込み。182センチ、99キロ。右投げ右打ち。