ロングティーでの飛距離競うイベント「ロンティーキング」の関東予選が22日、埼玉県和光市の東京都薬業健保組合野球場で開催された。

大会内容はシンプル。6球のうち、トスで上げられる軟式球をどこまで飛ばすことができるか。草野球出身のBC神奈川・杉浦健二郎投手(21)や、野球系ユーチューバーら110人が長打力を競った。優勝者は119メートルを放った、広畑実氏(26)。野球塾指導者で「ミノルマン」の名でユーチューブに動画を上げている。大阪桐蔭2年の10年、センバツに出場し、その後主将を務めた実力者だった。前回大会で112メートルを記録したBC神奈川の杉浦は「硬球を打つ練習をしているので難しかった」とポップフライを連発し、記録なしに終わった。

参加者のレベルは不問。主催のSWBCJAPAN組織委会長で、全国3600超のチームが所属する国内最大草野球組織「ストロングリーグ」の会長でもある高橋優氏(41)は「個人が楽しめるイベントを作りたかった」。草野球チームが減ってきている。野球経験関係なく、手軽に参加できるイベントを企画した。ゾロ目の記録者には景品をプレゼント。実力者以外も楽しめるように工夫も凝らした。

打席を待つ間、参加者同士で練習試合の申し込みをしたり、ユーチューブチャンネルのインタビューを受けたりと、交流の場にもなった。高橋氏は「野球人同士のつながりのきっかけにもなってほしい」と期待した。

この日行われたのは関東予選。29日には一宮市で東海予選が行われ、上位10人が全国大会に出場する。昨年は関東と関西で予選が行われ「ゆくゆくは全国各地に広めたい」と前を向いた。野球ができる場所も限られ、気軽にバットを振ることができなくなった現代。参加者はみな笑顔で打球を飛ばしていた。【湯本勝大】